K−1 WORLD GP 2005 in TOKYO 〜決勝戦〜

ちょっと遅くなりましたが、先週のK-1やっと観ました。シュルトが初優勝ですか。もう何年も前から知っている選手だし、PRIDEで結果が出なかったりもしたので、ある意味、時計の針が戻ったような印象もありますね。それでも、今回のシュルトの強さは際立ってました。
まずは準々決勝から。レミー・ボンヤスキーvsチェ・ホンマン。今年K-1を席巻したホンマンですが、規格外の大きさを除けば技術は未熟。レミーがローキックを的確に入れて危なげなく勝利しました。判定の瞬間、ホンマンはビックリしたような顔をしてましたが(ドローで延長と思ってたらしい)、どう見ても3-0判定の試合でしょう。ホンマンは来年、おそらくシュルトとのカードが組まれると思うので、そこがチャンスですね。
セフォーvsシュルトシュルト圧勝。セフォーは体調が悪かったらしいですが、個人的には試合後にケガだの体調だの言うのを聞くのって一番ガッカリしますね。セフォーは好きな選手だし、確かにGPでは毎年不運な感じもしますが、プロである以上、お客さんにいい試合を見せるのは最低限の仕事ですからね。来年こそはベストな体調で。
バンナvsアーツ。自分のようにK-1を10年以上観てきている人にとっては、ちょっと感慨深い対戦だと思いますが、アーツはここ数年のスランプから脱しつつある感じですね。あとは、体調さえ完全に戻れば、4度目の優勝もあながち夢じゃないかも。バンナはこのまま無冠の帝王で終わってしまいそうな感じ。
武蔵vsルスラン・カラエフ。今年見たニューファイターの中で自分的にはカラエフがNo1。あの攻撃のスピードと回転の速さはスゴイ。そのカラエフ相手にKOされなかった武蔵はさすがですが、カラエフにまで「武蔵相手だとKOじゃないと勝てない」みたいに言われてしまうのはどうなんでしょう。おそらく他のファイター間では、武蔵が準優勝とかできてるのは審判のおかげ、という認識が思ったよりも広がっているのかも知れないですね。
リザーブファイト。レコvsバダ・ハリ。来年の活躍を期待させる新星の登場。レコはPRIDE参戦失敗といい、何か完全に悪い流れに飲み込まれていっている感じw
準決勝。レミーvsシュルト。確かに今年のシュルトは強かったですが、自分がレミーをあまり認められない理由は、こういう部分なのかなという感じでした。昔のアーツにしてもホーストにしても、誰が倒せるんだろうと思わせるような圧倒的な強さがありましたが、レミーにはそれがあまり感じられないというか、チャンピオンだった間も、結構意外な選手にコロッと負けちゃったりしそうな感じだったんですよね。それは、結果が出なかった時期をこっちが知っているからかも知れませんが(シュルトにも前に1度負けているし)。負ける姿が想像しにくいほど、チャンピオンとしての幻想は大きくなっていくわけですからね。
グラウベ・フェイトーザvs武蔵。武蔵、5年ぶりのKO負けですか。でも、これはこれでよかったんじゃないかと思います。武蔵の戦い方って、一目置かれることはあっても、決して他のファイターから恐れられることはないだろうし、ハッキリ言ってファンからも「強い」とは思われてないんじゃないですかね。たとえば「K-1で強い選手は?」ってアンケートとっても、おそらく2番目に名前が挙がることはないでしょうし。K-1がここまで大きくなったのは、やっぱりKOの衝撃、醍醐味に、それまで格闘技に興味がなかった人たちが集まってきたからですよね。ただ、それと引き換えに「判定=つまらない」という基準を作ってしまったわけで、個人的にはあのディフェンスは凄いレベルだと思いますが、やっぱり一般ファンが求めているのは、ガンガン攻めてKOする日本人ファイターでしょう。今後、武蔵がファンからも支持されて、他ファイターからも認められるようになるためには、やっぱり攻撃力を上げる(手数を増やす)しかないでしょうね。自分は逆にこの結果は変わるチャンス(おそらく最後の)だと思ってるんで、来年以降に期待しています。
決勝。グラウベvsシュルトグラウベだって190cmを超えるかなりの長身ですが、あの高さまでヒザが来てしまうと、もうどうしようもw グラウベにはフィリオが果たせなかった夢を果たして欲しかった感じもしますが、今回のKO劇はまさにそのフィリオを思い出させるような壮絶なものでしたね。まあ、今年はリザーバーだったわけだし、来年以降に期待です。参戦直後はなかなかK-1に対応できず、極真時代の輝かしい実績に比べると、寂しい結果しか残せていなかったですが、今や優勝に手が届く位置まで来ていると思います。ただ、シュルトの壁は文字通りかなり高いと。
全体的には、サップ、曙などを始めとした、大型パワー選手の時代は、今年のシュルト、ホンマンの活躍で、1つの区切りがついたんじゃないかと思います。おそらく、シュルト時代はしばらく続くと思いますが、果たして誰がシュルトを倒すのか、が来年のK-1のテーマになることでしょう。一番効果的な方法はローキック連打だと思いますが、そういう意味では、武蔵にも結構チャンスがあるんじゃないかと思います。