Sのこと2

この旅行を企画、スケジュール作成まで全てやってくれたのは当時クラスメートだったSというヤツでした。彼は英語が得意で少しロマンチストで、そして特に友情というものを大切に考えているらしく、このような友達同士の旅行を企画したのも頷ける話でした。ただ反面、彼には自己中心的なところがあり、自分の都合のみで他人との付き合いを形成していこうとする悪い傾向がありました。彼との付き合いは旅行の後も続いたのですが、大学に入った頃にいくつかの問題行動を起こし、これ以上あいつのワガママに付き合えないという感じで、いつしか自分たちのグループとの交流はなくなっていきました。
今思えば、あの九州旅行の最終日の帰りの車内で、降車駅が近づく中、4人ともがそれぞれに感じた「友情」とでも呼ぶべき漠然とした感情が、その後もずっと続いていけばよかったのですが、残念ながらそれは叶わぬ夢となってしまいました。
月日は流れ、聞くところによると、Sは今、某所で英語の教師をやっているとの話です。ワガママでプライドが高すぎる部分もありましたが、彼にはいろいろと素晴らしい面もあったので、生徒たちにはそういう部分を伝えていって欲しいなと思います。もしかすると、お互いに連絡を取ることはもう2度とないかも知れませんが、もし何かのきっかけで再び会うことがあれば、久々にあの旅行の話でもしてみたいなと思ったりします。
春休みという連想から、ふと昔のことをいろいろと思い出してしまいました(歳を取った証拠ですねw)。